焙煎による化学反応
焙煎とは
焙煎(ロースト)とは、生のコーヒー豆を炒る加熱作業のことです。
炒る前のコーヒー豆は、緑色や黄色のような色をしています。
水分含有量が高く、味や香りもなく、非常に固いためコーヒーとして飲むことができません。
そこで焙煎を加えることで豆に含まれる成分が加熱されて化学変化が起き、コーヒーの風味が生まれます。
その焙煎も炒る時間、炒る分量、ガス圧、空気の入れ方など様々な要因から、コーヒーの風味が変わるため焙煎はコーヒーの美味しさに非常に重要な工程です。
焙煎によるコーヒー豆の変化
コーヒー豆の焙煎は浅煎り、中煎り、深煎りと大きく分けて3段階あります。
窯の温度は180℃〜230℃まで上がり、主に焼き上がりの温度、時間によって位置づけられます。
豆の色は、薄い茶色から黒色まで変化していきます。
そのような変化段階で主に『メイラード反応』『カラメル化』『分解』という化学反応が、コーヒーの風味に大きく影響します。
メイラード反応
加熱により糖とアミノ酸などの間で褐色物質の『メラノイジン』ができる反応のことです。
温度は160℃〜180℃で起こります。
メイラード反応により、香気成分が生じます。
匂いは焦げ臭、カラメル臭、チョコレート臭、ナッツ臭などです。
コーヒーの風味でチョコレート感、ナッツ感の話になるのは、こういった現象が影響しています。
カラメル化
カラメル化は糖だけでも起きる反応です。
糖が加熱され、水分を失っていく過程で、糖の構造の変化により様々な反応が起こります。
その結果色が茶色になり、カラメル独特の苦味物質が作られます。
コーヒーに色、苦味はこの『カラメル化』によるものです。
分解
生豆に含まれる『クロロゲン酸』『ショ糖』という成分が、加熱により分解され様々な味わいを生み出します。・¥
クロロゲン酸の分解
クロロゲン酸は加熱されることにより、キナ酸とカフェ酸に分解され、コーヒーの苦味、香りを引き出します。
クロロゲン酸はコ―ヒーポリフェノールとも言われ、コーヒーに多く含まれます。
そのクロロゲン酸には、ダイエット効果、糖尿病予防効果、アンチエイジング、血糖値の上昇抑制効果があり、近年非常に注目されています。
ショ糖の分解
こちらは苦味ではなく、酸味に起因するものです。
加熱100℃前後からショ糖が化学変化を起こし、ギ酸などの有機酸ができる反応で、酸味が増えます。
焙煎を行う焙煎士は、焙煎により様々な化学変化を利用してこだわりのコーヒー豆を焙煎しています。
ご購入の際は、コーヒー豆の色を見たり、店頭で何度まで焙煎しているかなど質問をしてみてください。
新しい発見があり、より美味しいコーヒーに巡り会えるかもしれません。
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