カフェインの本当の効果
カフェインの本当の効果
コーヒーといえばカフェインですが、よく耳にする興奮作用、記憶力との関係など実際のところどうなのか気になっている方も多いかとおもいます。
そこで今回はその実際はどうなの?という内容について確認していきたいと思います。
カフェインと興奮作用
ヒトの脳とカフェインの関係については、近代科学によって、次のように解き明かされています。
起きているとき、脳の神経は興奮しています。神経が興奮すると、アデノシンが分泌されます。神経システムでは、受容体を通じて、アデノシンのレベルを監視しており、脳や脊髄で、アデノシンが一定レベルに達すると、眠気を促すという仕組みになっているとか。ちなみに、ヒトには、A1、A2A、A2B、A3の4種類のアデノシン受容体がありますが、中でも、カフェインと直接結びつくと考えられているのが、A1受容体です。
カフェインに似た化学物質は、体内にもありますが、8オンス(約226.8g)のストロングコーヒー(通常100mgのカフェインが含まれている)を摂ったときなど、大量のカフェインを摂取すると、カフェインは「『ニセ』アデノシン」のような作用を持つとか。アデノシン受容体は、カフェインがアデノシンと似ていることから、これと結びついてしまうそうです。
さらに重要なポイントは、受容体とくっつくことで、カフェインがこの働きを活発にさせないという点です。受容体がブロックされると、ドーパミンやグルタミン酸といった、脳の興奮性神経伝達物質が自由に動けるようになります。つまり、カフェインは、脳に直接「アクセル」をかけているのではなく、「ブレーキ」が効かないようにして、これらの神経伝達物質をサポートしているだけなのです。よって、連日の徹夜勉強の疲れを、一掃することはできませんが、朝の眠気を引きずらないようにはできる、というわけです。
カフェインのパワーアップ効果
カフェインは生産量を高めることがありますが、これは仕事のタイプによります。比較的わかりやすく、抽象的な思考が必要ない仕事をする場合は、コーヒーが量と質を高めることはあります。また、テスト対策に答えを丸暗記するときのように、叙述的な記憶であれば、カフェインは記憶力アップにつながるそうです。
テキストの校正と、カフェインとの関係を調べたある研究では、直情的なタイプの人、もしくは正確性や質よりも、スピードを優先する人において、上昇が認められたとか。また、この効果は、朝のテストでしか見受けられなかったそう。ただ、この理由は、カフェインによるものなのかもしれませんし、一日の中で朝がこの手のタスクをやりやすい時間帯、というだけかもしれません。
仕事にカフェインの効果を求めるならば、パワーではなく、スピードに期待しできます。もしくは、カフェインは謎のものと捉えたほうがよさそうです。すでに触れたとおり、どの成分やプロセスが、いつどのように私たちに作用するか、よくわからないからです。
カフェインが脳にどう作用するか? を脳モニターで映した例としては、毎日2~3杯分のコーヒーを飲んでいる、女性リポーターの脳で「ビフォーアフター」を検証。コーヒーを飲む前は「ちょっと頭が痛い」と訴え、時折ウトウトしがちだった彼女が、コーヒーを飲むと、ノーマルな調子に戻ったことが脳の様子からも明らかになっています。
カフェインの効果・耐性・頭痛
カフェインの効果はヒトによって異なりますが、平均的には、体内で5~6時間経過すると、効果が薄れてきます。ただし、経口避妊を服用している女性は、カフェインの加工が2倍長くなり、効果が持続します。女性の排卵から、月経開始までの間も同様です。一方、喫煙者は、通常の半分の時間で効果が薄れます。喫煙者がより多くコーヒーを摂取するのは、これが理由なのかもしれません。
カフェインを定期的に摂るようになると、カフェインへの耐性ができます。ゆえに、同じ効果を得るには、徐々に多くのカフェインが必要になるわけです。厳密にどれぐらいの期間で耐性ができるのかは、明らかになっていませんが、脳は、制御を向上させたり、より多くのアデノシン受容体を生成することで、カフェインからの「攻撃」があっても、ノーマルな機能を回復できるように働き始めます。
カフェインの定期的な摂取により、アデノシンと似た神経伝達物質ノルエピネフリンのための受容体が減少する一方、GABAの受容体が65%増加することも、わかっています。また、いくつかの研究では、カフェインを定期的に摂ると、アデノシン受容体に変化が見られたそうです。厳密には、カフェインがこれらの変化の直接的な原因とはいえません。むしろ、カフェインが「疲れた」という脳のセンサーを、正常に働かせないようにしているゆえ、脳がこの機能を正常化させるために変化していると考えられます。
1995年のある研究結果では、カフェインを毎日摂りはじめると、だいたい1週間から12日程度で耐性ができると指摘しています。また、耐性は極めて強いものです。定期的にカフェインを摂っている人を対象とする実験で、一方のグループに900mgのカフェインを摂らせ、もう一方には偽のものを摂らせたところ、18日間、気分、エネルギー、注意力がほぼ一致していたそうです。
12~24時間経過すると、カフェインの禁断症状を感じ始めます。朝、コーヒーを飲むのは、これが大きな理由でしょう。脳が、カフェインのある状態で働くことに慣れているので、カフェインがなくなっても、すでに変化した受容体の働きは、これまでと同様です。頭痛は「カフェイン切れ」の全般的な作用ですが、気分の落ち込み、疲労、倦怠感、イライラ、吐き気なども、この作用のひとつと見られています。通常、10日間で、この症状はなくなるそうです。
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